2021年2月12日金曜日

九郎(純粋)


16歳、老犬と知りながら、
その姿に寿命を調べてみる。

中型犬の平均寿命は11~15年
その中でも純血種は11~13年
柴犬の16歳は人間に換算すると80歳

いつ逝ってもと実感と覚悟しながら今日、
明日ではないと逃避し過ごす自分がいる。

親父の時もそうだった…自分の悪い顔だ。
それは今も残念ながら変わってはいない。

横たわる体をなでながら親父の命日にそう想う。

これはただの偶然か?それとも必然なのか?
過剰になり過ぎ神経と思考回路が働かない。

年老いた目も見えず耳も聞こえず嗅覚も落ち、
毛が抜け腰が曲がり痩せ細り骨が出た九郎が、
残された少ない命を純粋に懸命に生きている。

それでも、なでられると無条件に優しい表情で答え、
鼻を鳴らし散歩に行こう!と体をよろつかせて歩き、
大丈夫でも違う場所で糞尿し申し訳ない表情をする。

なのに私は何て哀れで愚かなのだろう。
本当に自分が情けなくてしょうがない。

何となく気晴らしのつもりで飼ったつもりが、
不安や苦しさで眠れない私を助け、
闘病の親父や叔父さん姉を励まし、
母の孤独を癒すとは想像もつきませんでした。

私が今あるのは間違いなく、
会社の仲間のおかげ、
親兄弟親族のおかげ、
携わる人達のおかげ、
そして九郎のおかげです。

楽しい時も、嬉しい時も、
悲しい時も、苦しい時も、
どんな時も、何一つ変わる事なく
そばにいてくれて、ありがとう!

そして無償(純粋)の愛をありがとう。

私も純粋に生きたいけれど人の
欲が邪魔し負けてしまいます。

今はただ、その命が尽きるまで一緒にいよう!
寂しいけどペットロスにはならないから(笑)

先に逝って名付けた親父や可愛がってくれた
叔父さん叔母さん達と待っていてください。

私はもう少し、こっちで頑張ってから行くから!