2020年7月22日水曜日

親子鷹

現在は「褒めて伸ばす」の育成が主流ですが、
私は「叩いて鍛える」で仕事をおぼえました。

当時は真意を解らず、なぜ他の同期と比べ自分
は厳しくされるのか?不平不満もありました。

事実、もし「褒めて伸ばす」で修業していたならば、
早くに自信を持て仕事も楽しくおぼえた事でしょう。
でも確実に今日まで生き抜けないと断言もできます。

現場で2年程前から2人組の鳶職人を見かけますが
親方が働く見習青年を「叩いて鍛える」で仕事を
ています。先日、親方と会話で2人が親子と知り
教育方法業界のこの先について数分話しました。

以前、現場で独りの彼に私が「何歳?」と尋ねると、
彼は「二十歳」と答えました。
そして、私は彼に「頑張れ!辞めるな!」と言うと、
彼は「分からない」と答えました。












あれから2年、「甘えがあり口答えて駄目だ!」と
言う親方の向こうには「分からない」と答えた時と
違って凛々しい職人の顔つきになった彼がいました。

私も彼の歳頃に「頑張れ!」と言われた事があります。

その人はだいぶ前に亡くなりましたが当時、水産工場
所長で自転車通勤中に私が現場で「叩いて鍛える」
教えで作業る姿を観ているかこそ「頑張れ!」
励ましてくれたんだなと、今なら明確に解ります。

人は、褒めに励まさず、厳しさに励ましを送るのです。
私は、そのおじさんの笑顔と励ましを一生忘れません。

今、その人と同じ応援される側から励ます側にいますが、
それは、順番にめぐる恩返しだと自分では思っています。














私も鳶の親方も基本、自分が育った「叩いて鍛える」
しか教えれませんが間違いでは無いと信じています。

日本刀は実戦で折れ曲がらぬ様、高温に焼かれた鉄を
幾度叩き不純物を火花で飛ばします。この作業工程
を「鍛錬」と言い鍛える鍛錬はここから来ています。

この鍛錬で鉄は強度と切れ味が増す鋼となりますが、
怠れ実戦で使い物にならぬ「なまくら刀」となり、
「なまくらな人間」と使う言葉もここから来ています。

大流行「鬼滅の刃」あれこそ「叩いて鍛える」です。
何故いまさら、スパルタ精神が受けるのでしょうか?

それは、アニメでは人より強い鬼を倒すためですが、
鬼同様、違う意味で強い現代社会を生き抜くために、
必要だと皆が気付いているからではないでしょうか?














職人のスタートラインは一人前で自立してから、
失敗と経験を積み試練を乗り越え真の成長です。

現場は、修業時も独立後も何一つ変わりん。
当たり前が慣れを招きますが仕事は命懸け、気を
抜けば怪我や事故、常に危険と隣り合わせです。

命を預かる責任と社会の厳しさを知るからこそ、
親方は生き抜いてもらうために叩いて鍛えます。
そして根底には愛があり作業姿を観て解ります。

「現場で怒らないで下さい」と言う会社もあります。
親方の話を聞いて私は愕然としました。

何も解らない人が見れば、
親方をパワハラだと非難するでしょう。
解る人と経験者が観れば、
弟子を「頑張れ!」と励ますでしょう。

この違いが解る人が多くなれば、もっと良い世の中
に変わると私は想いますが、建設会社が解らないと
本末転倒すぎて業界不安を越え危機すら感じます。











最近、現場に違和感がありましたが目の前
懸命に汗流す親子を観て理由が解りました。

それは、プライドを持つ職人が少なくなった事です。

職人は作業員と違い仕事をこなすだけでなく
誇り持ち、大げさに言えば精神や魂
を受継いいる職人なのだと想います。

「親であり師匠」「子であり弟子」他人関係
より大変ですがこの2人は「親子鷹」で

「親子鷹」とは同じ職業の親も子も立派な意味です。

現場で「師匠でなく親」「弟子でなく子」の
ままでいると弟子は「なまくら職人」になり
「家庭の親子」「職場の師弟」双方崩れます。

「親子鴉」「親子鳩」の師弟もいますが、やるなら
「親子鷹」になってほしい、目指してほしいです。

「叩いて鍛える」の基礎があってこそ、
「褒めて伸ばす」に繋がり実を結べる。

今は、厳しくても君が耐えて一人前になった時。
きっと「師」として、よくやったと弟子を褒め。
そして「親」として、必ず子を誇りに思うはず。

だから「師匠も弟子も」「親父も息子も」頑張れ!

ちなみに、2人の仕事が鳶(とび)職ゆえに私は彼に
ことわざの「鳶が鷹を産む」になってほしいと願う。

2020年7月1日水曜日

征け!手始めに世界を救うのだ!

光は、ある!
諦めて引き返すには、もう半歩ある!
たった半歩だと思うか?
違う!これは、我々の全身全霊を懸ける半歩だ!
クラウス・V・ラインヘルツ



レオナルド、もう一度 立ち上がって走るのだ!
泣くな!走れ!
泣き言なら、負け犬になった後で
好きなだけ言える!
可能性がある限り、みずから降りるなど
論外中の論外!
まわりを良く見て考えろ!
まだ、やれる事は あるはずだ!
いちばん重要な結果を もぎ取るのだ!
レオナルド・ウォッチ

アニメ「血界戦線」より抜粋