2019年12月16日月曜日

NSX

バブル時代の90年代ですら、300万円台の国産車は高級で自慢だった。

そんな中、ついに1000万を超える国産車に衝撃を受けたのを今でも鮮明におぼえている。

それが、ホンダのスーパーカーNSXである。

あれから30年近く時は経ち、現在のNSXを調べて2400万~の価格にショックを受ける。
それは2.5倍になった金額にではなく、自分の業界に改めてショックを受けたのだった。

数年前から感じているが燃費や安全性、ハイブリッドなど技術向上で車の価値と価格が数段に上がる。

今では、レクサスなど1000万を普通に超え、軽自動車でも200万では足りない感覚だろう。

その価値と価格は、自動車業界全体で高め築き上げた事に他ならない。

同様に
技術や性能が向上しても、価値と価格が同様になっているとは言えないのが家の現状。

それは、生産者が車と違い大手メーカーからビルダー、地元工務店まで多様+地域や購入者の予算影響が大きな要因と言えるだろう。

新車でランボルギーニやフェラーリならまだしも、スーパーカーや希少でない国産高級車に新築の価値が劣ってはならないという想いが私の心底にある。

だからこそ、500万以上する車に乗る相手に家の1500万が高いと言われ心が曇っても光が射す方を懸命に探す(悲笑)

やはり造り手としていつの世も、人生で一番大きな買い物や夢や目標が「家」であってほしい

例えば、「良い物は高い」で購入の高級車を10年20年と乗る人は稀でほとんど乗り換えます。

けれど
、「安く仕方ない」で建てた家は30年40年と否応なしに住み続けなければなりません。

だから、高性能住宅=高額ではなく「適正価格」や「手の届く金額」にする事が企業努力であり、良品の提供が物造りの真髄な筈です。

食品や衣類雑貨と違い、手間も値も掛かる家を驚く低額で広告する同業者がいます。

安くて飛び付きたくなる気持ちは分かりますが、そもそも新築は薄利多売できないのです。

その反対に、実際行ってみると広告と違ったり内容に似合わず高額な同業者もいます。

仮に、企業努力や薄利多売以外の低価格は、赤字覚悟の奉仕か手抜きのどちらかに過ぎません。

逆に、値が張るは高級素材を手間暇掛けるか、ぼったくりの二つに一つです。

あのバブル時代でさえ1000万でNSXは買えても家は買えないが皆の常識にありました。

結局、業界を良くするのも悪くするのも自分も含め、その中にいる人なのだと思います。