2014年12月25日木曜日

クリスマスケーキ

私の家は、クリスマスも誕生日も祝わない何もしない家だった。

それを知ってか知らずか?子供の頃(4~6歳)診療所に赴任(ふにん)していた先生が、この時期になると家までクリスマスケーキを持って来てくれた。

残念ながら顔はもう忘れてしまったが、日も落ち暗くなった中、クリスマスケーキの箱を持ちながら玄関に入って来る先生の姿は今も憶えている。

親父との関係(診療所の修繕など)か?一緒に来た奥さん(看護婦)との間に子供がいなかったからなのか?理由は解らないが、診療所が無くなるまで3年ほど続いた。

その後、先生は町に戻り自分の病院を建てたが何故か数年後、自殺してしまい、診療所にいた時の話ばかりしていたと聞いた記憶がある。

35年以上も前、当時冬道では町のケーキ屋までは車で片道1時間半以上は掛かったであろう。

生クリームにイチゴではなく、日持ちするチョコレートに干しぶどうのクリスマスケーキ、それが私のクリスマスケーキであり私にとってクリスマスケーキと言えば、それなのである。

自分も貰う側から送る側になりましたが、先生の様な誰かの記憶に残る大人(人間)でありたいと想います。





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